リスクに強い会社づくりのヒント集

リスクにも色々

会社経営上のリスクは、自然災害や政治、経済、労務、訴訟など数え上げたらきりがありません。

これらはいずれも無視することはできませんが、リスクの全てに万全の手を打つことが経営の目的ではないことも明らかです。

ここでは、日常の事業運営上の典型的リスクにいかに効率的に備えるかという視点で、ヒントになるような考え方をご提供します。


リスクに強り会社づくりのための4つの切り口

社会的責任を果たす

各種法的なルールを遵守した公正な取引を通して、事業収益を確保する事を念頭に置いた、ビジネスモデルや業務の仕組みの構築(紛争予防)


会社の信頼を確保する

企業にとって大切なことは、顧客や地域社会、取引先からの信頼を確保することです。森羅関係を築く上での最も大切な―ワードは「透明性」です。

会社や事業を守る

債権回収のリスク管理はもとより、下請取引のトラブル対策、現場や顧客関係における諸問題の早期対応、各種専門家との連携などが大切なポイントです。

時代の変化をつかんで経営資源を生かす

最も大きな時代の変化は、人口構造の変化による労働観、国際化・情報化の進展による価値観の変化にあります。



社会的責任を果たす

公正かつ有利な取引・事業環境、事業利益を確保する

  • 相互理解の確認、紛争解決の手段としての文書の取り交わし – 契約
  • 他人の成果にただ乗りしない、させない – 不競法・産業財産権法
  • 製品・サービスは正しく表示する – 食品表示法・景表法等
  • 自分の立場を濫用しない、させない – 下請法(独禁法)

安心・安全な商品を届ける

  • 製品のライフサイクルに沿った、十分な危害想定の実施 – PL法
  • 各種法令・規格への適合と適合状態の維持 – 電波法、製安法等

秘密情報(含個人情報)の取扱いには十分な配慮を

  • 「秘密情報」の管理は、第三者が納得できるように整備する 
  • 社内不正防止と情報セキュリティは、「平時」の備えがポイント

会社の信頼を確保する

透明性の高い経営と事業運営の仕組み

  • 時代に合った事業方針の策定・明示と言動の一致
  • トップが「見る目」「聴く耳」 ~ 小さな予兆を逃さない
  • 風通しの良いコミュニケーション環境を仕組みで作る
  • 万一の時には、被害救済と拡大防止~まずは止血

実効的なエスカレーションはどうすればできるか

  • 「聴く耳」はトップマネジメントから ~ 「経営者の態度」は伝染する
  • 実効性のあるエスカレーションは、「聴いてもらえる」安心感から生まれる
  • 業務情報は、個人に頼らず仕組み(役割)で流す

情報セキュリティの不作為は信頼喪失リスク

  • 顧客情報を多く取扱う企業では十分な配慮が必要

会社・事業を守る

事業運営上の法務的センスを身につける

  • 債権回収はフロントエンドで押さえることと段階的選択肢の知識を持つ
  • 資金調達は借りる知識と返す知識、万一の時の知識も押さえる
  • 下請法に対する十分な知識をもつ
  • 法的権利・権利行使に対する知識を持つ

従業員の教育といざというときの法的手段

  • 業務上のエスカレーションに耳を貸すことが最良のコミュニケーションであり教育
  • 内容証明郵便、調停・訴訟、損害賠償、差止請求などに関する知識
  • 専門家との協力関係の構築 – 信頼できる社外参謀の確保

社内不正防止の仕組みづくり

  • 従業員一人一人の法務知識・行動規範意識の向上
  • 属人的業務システムの是正 ~ 役割による業務システムへの移行
  • 「環境的抑止力」と「心理的負担」の相乗効果で社内不正を抑制する
  • 不正をさせない「罪人作らず」の仕組み=「安心して働ける環境」
  • 経営者(管理者)不在の状況・環境を作らない

使用者責任も頭に入れておく

  • 事故や不祥事について、「業務として」とは、どういうことかを把握しておく

時代の変化をつかんで人材を活かす

労働関係法は時代の変化を映す鏡と心得る

男女雇用均等法、高齢者雇用安定法、介護・育児休業法、女性活躍推進法などは、支える人が減り、支えられる人が多くなる時代を先取りしていると言える ➡ 自分の会社の状況に当てはめてみる

  • まず人事・労務制度から入って、良い人材を採用し力を発揮してもらうのも一案
  • 少子・高齢化、介護負担、障害者、LGBTなどに、前向きに対応して、先進・積極的な会社と思われることも大事

労務管理の基本は「就業規則」と「証拠を残す」

  • 「期待外れ人材」への対応は前もって備えておかないと難しい
  • 就業規則は従業員にとっての規律であり、雇用者にとっての証拠でもある
  • 日ごろのコミュニケーションが最も大切(記録も残す)